『この世界じわ100』前書き
「じわ100」シリーズ(三冊出たら、もうシリーズですよね)の新刊、
『この世界は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説』が出ました。略称は、「この世界じわ100」
というわけで、今回のテーマ(?)は、「世界」です。
と言ってもなんのことやらわかりませんね。
まあ読んでください。読んでもわからないかもしれませんが。
それにしても勝手にツイッターで書いてただけなのに、三冊目が出るなんてびっくりです。どうやら地味な奇跡は、まだ続いているらしい。もっと続いてくれ。
というわけで、例によって「前書き」として書いた文章を全文載せます。
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【この世界の歩き方】
この本には、すごく短い小説が130話入っています。どれも、へんてこな世界の話です。なんだ、これ? いったいどうなってんだ? わけがわからないよ。そう言ってるかな。
わけがわからなすぎて、投げ出したくなるかも。でもちょっと待ってください。君が暮らしているその世界だって、じつは同じなんですよ。わけがわからなかったり、納得がいかなかったり、どうなってんだ? だったり。
この先、君はそんなことをたくさん体験するはず。
本当にそんな目にあうのは嫌ですよね。不安になったり、混乱したり、たぶん腹が立ったりもします。でも、これは小説。フィクション、つまり嘘です。だけどその中で、不安になったり混乱したり考えたりすることは本当です。だから、嘘だけど嘘じゃない。
そんなふうにお話の中でへんてこな世界を歩くことは、現実の世界でそんなことに出会ったときの練習になるかも。いや、べつにそんなこと考えずにただ、なんだこりゃ? でいいんです。そういうことをおもしろいと感じてもらえたらいいなと思って書きました。嘘です。自分がおもしろいから書いただけです。もちろん、おもしろがってもらえたら嬉しいですよ。これは本当です。
では、よい旅を!
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