北野勇作の甲羅

北野勇作の近況、イベント、その他です。

【ほぼ百字小説】

 ツイッターで【ほぼ百字小説】なるものをやってます。

 100字、というか百枡にぴったり入る小説です。

 まあいわゆるツイッター小説というやつで、140字小説とか、けっこうありますね。ナンバーも振りたいし、切りのいい数ということで、私は100字でやってます。

 これまでもノートとか使ってショートショートを公開して読んでもらおうとしたんですが、どうも画面ではなかなか読んでもらえないというか、どうもツイッターとかやってるときと小説を読むときのモードが自分でも違う気がして、やっぱりひとつのツイートと同じ感じで読めるものがいいんだろう、と100字でやるようになりました。

 まあそれでどの程度読まれているのかわかりませんけどね。

 でも、やってみてわかったのは、思った以上にこのやり方が自分に合っていること。それから、こういうものはたぶんツイッターみたいなものがないとそんなに書かれるようなものではないのではないか、ということ。

 けっこう手間なんですね。百字ですから、単純に4つで原稿用紙一枚分です。普通の短編50枚分くらい書こうとしても、200個書かないといけません。それで短編ひとつぶん、とか思うとちょっと気が遠くなります。もし雑誌に掲載するとなると、最低でもそのくらいでしょう。

 でも、ツイートの合間にちょこちょこ書いてると、けっこう書ける。まったくお金にはなりませんけどね。それでも書いてて楽しいことがわかりました。自分でもちょっと意外でした。書き始めたときは、100個くらい書けたらちょっと作品らしくなるかな、くらいでしたが、中断しながらもなんだかんだで3年以上続いてて今のところ1234個です。

 どこまでが小説なのか、とかけっこうそういうこともちょっとずつ試しているつもりでいます。自分でもうまく説明できないけど、小説的になかなかおもしろいんではないか、というようなことも。

 

 これが記念すべき(?)1個目です。

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 娘とプールに行った帰り道、巨大な天使が更地に落ちていた。家に着くなり妻に娘を渡し、カメラを掴んでまた自転車に飛び乗った。どうしたの、と叫ぶ妻に、天使っ、とだけ答えて自転車を漕ぎながら見上げる空は、赤。

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これが1001個目。

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 お椀の中にアラビアの夜が入っていた。知らないうちに入っていた。遠慮なくいただくと、翌日もお椀に入っていた。そういうシステムらしいな。まあおかずが一品増えたようなものか。いつまで、と尋ねると、死ぬまで。

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そして、これが1234個目。

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 ほぼ、としたのは、数え方で字数が変わるからで、実際には百枡です。まあ細胞みたいなものかな。一枡目は空白。「、」にも「。」にも一枡使う。百枡目だけは文字といっしょに「。」も入る。私はそういう生き物です。

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 どこまで続くかわかりません。ときどき空気を入れ替えるために止めたりしながら続けてます。

 ということで、これからもよろしくお付き合いを。